「改正FIT法」という名の災厄(1)
4月1日に施行された改正FIT法とその運営に関して、国の運営がお粗末極まりない状況です。
現在、すべての新規の事業認定申込み申請が滞っており、工事・引き渡しが出来ない状況のまま2ヶ月が過ぎました。
各メーカーや他の同業他社に聞いてみても、申請手続きが下りた物件はまったくないとのこと。
事業認定の認可が下りない限り、お施主様は売電を開始できないので、我々販売・施工業者はいつまで経っても引き渡しが出来ません。
4月当初は「国がやってることだから、滞るのはいつものことでしょ」と笑って済ませられたものの、6月を迎えようというのに一向に手続きが進む気配がない。
このままでは「工事」→「引き渡し」→「お支払(=入金)」の一連の流れを作ることができない業者は潰れるほかありません。こんな事態を招いている国は責任を取らないといけないのではないでしょうか?
当初、前年度までのルール下での設備認定の新規申し込みを1月20日で締め切って、3月20日までの2ヶ月間たっぷり時間を取ったのち、満を持して「3月21日以降、新年度の事業認定申し込みが出来ます」と華々しくアナウンスがありました。
そこで、早速入力しようとしたものの、スタート即入力不能(笑)。
4月ではないからまあいいか、と思っていたら、毎週のように手続きルールが変わるなど、4月以降もいつまで経っても運営ルールが固まらないため、事業認定の申し込みをしたくても、手続きすることがためらわれる状況でした。
4月下旬になって、ようやく固まってきたと思って新規物件の申請を申し込みしてみると、申請の進捗がまったく見えない状況。いつまで経っても申請中のまま。4月1日の新制度開始以降、新たな事業認定の申し込みで許可が下りたものが5月25日現在1件もないという体たらく。
あまりにひどいので、電話で問い合わせをしようと思っても、一日中「話し中」でつながらない。FAXやEメールによる問い合わをしようにも、そもそもFAX番号やEメールアドレスの設定がない!
仕方ないので、メーカーに聞けば、「国に聞いてください」
国に聞いてみれば、「設置業者に聞いてください。」
我々は設置業者だっつーの(怒)! 責任を押し付けるんじゃないよ!
まさに国全体を股にかけてのたらい回し状態。
先日(5月26日)、ようやく国に電話がつながり、担当者に事情を説明して状況を聞いたときの担当者の言い訳が秀逸でした。
「始まったばかりで、私たちは波に乗れていないだけです」
まるで、何も問題ありませんとでも言いたげでした。もう2ヶ月経ってるんですよ!
経済産業省は国内の販売/施工業者を潰すつもりなのでしょうか?
当分の間、「改正FIT法」に振り回される日々が続きそうです。
用松俊彦