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2015.06.28ブログ

「出力抑制」に関する誤解

どうにも誤解されています。

昨年9月の九電ショックに始まり、今年1月中旬のFITルール改正を通じて、今年4月以降は「新ルール」のもとで固定価格買取制度が施行されることになりました。

細かいルールはここでは省きますが、全国の電力会社の中で、九電管内のみ10kW未満の太陽光発電システムの新規設置でさえも出力抑制の対象にしています。

ここで誤解しないでいただきたいのは、太陽光発電が設置不可になったわけではないのです。
九電ショックを契機として、ほかの電力会社まで接続手続きを保留し始めたため、このままでは固定価格買取制度が機能しなくなるために、急遽国と電力会社とで協議して、国が電力会社による接続拒否をさせないために「遠隔操作による出力抑制」というルールができたのです。
このルールがあるおかげで、電力会社は接続拒否の類が一切できないことになりました。(離島は除く)

この、固定価格買取制度を前に進めるためのルール変更が、おかしな形で伝わってしまっています。
最近お客様から、「太陽光はもう終わったんでしょ」よか「九電は接続拒否なんでしょ」とかいう言葉をもらいます。

もちろん、「太陽光は終わっていません」し、「接続拒否」もありません。
普及率はたったの6%ですよ。エコキュートですらようやく10%を超えた程度です。

このお客様方の誤解の原因はマスコミの報道です。
新聞の見出しなどで「太陽光、もういっぱい」とか「種子島で出力制御」とか大げさな見出しを掲げて一般人の不安をあおるような書き方をします。最近の新聞・テレビのニュース報道のいい加減さは最近目に余りますね。
実際は、設備認定の申請に比べて設置率は一桁台だったりして、出力抑制どころかまだいくらでも設置可能な状況です。

九電が国に提出した設置可能容量(=817万kW)も、管内の原発がすべて再稼働した場合を前提に出しています。
実際はまだ1基も稼働していませんね。さらに1基は廃炉が決定しましたし。
といいうことは空き容量はまだたくさんあるということです。

また、送電線の類も、国が予算をつけてこれから増強していくことになっており、今現在の状況を前提に計算した数字など、何の意味もありません。単に将来の接続限界に備えたルール作りをしただけで、出力抑制が発動されるとしても相当先の話になります。

JPEAが今の状況下で試算した結果、10kW未満の場合ほとんど抑制はかからない(抑制率0.3%)結果が出ており、こと住宅に関する限り、設置しない手はないと思います。しかも九電管内は他地域よりも売電単価が高く設定(35円/kWh)されています。

太陽光発電を住宅に設置する最大のメリットは、家のエネルギーの節約につながることです。
けして売電だけが目的ではありません。
また、蓄電池を併設することにより、電力自由化時代に賢く電気を使っていくことが可能になります。
半ば自給自足も夢ではなくなります。

昨今、ハウスメーカーが提唱している「ZEH(ゼロ・エネルギーハウス)」の基本設備は太陽光発電です。いや、中心といっても過言ではありません。
ほかに蓄電池や省エネ機器などが必要になるとはいえ、最初に必要になるのは太陽光発電システムです。
今後は、太陽光発電や蓄電池がない家は、2016年以降の電力自由化時代では「時代遅れ」の家だと言えると思います。

未設置の方は、売電単価35円/kWhの今こそ太陽光発電システムを設置する時だと思います。

用松 俊彦


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