エコキュートのソーラー連携(「おひさまエコキュート」「昼間沸き上げ機能」など)について
最近、FIT期間終了済の太陽光発電を有効活用する方法の1つとして、エコキュートの「沸き上げシフト」(=「おひさまエコキュート」「太陽光発電利用沸き上げ」など。エコキュートのメーカーによって呼び名が異なります。)が注目を集めています。
FIT終了にともない、太陽光の余剰電力の有効活用で、太陽光発電の電力でエコキュートの沸き上げを行い蓄エネする、という考え方は、毎日お風呂に入ることを考えると非常に理にかなっていると言えます。
なので、太陽光発電システムを設置していることが前提としながらも、「天気予報を確認して沸き増しを予約」あるいは「太陽光発電の余剰電力を利用して、主に昼間に沸き上げを行います」、「天気予報をもとにした太陽光発電システムとの連携運転」といった機能を持つ製品が各メーカーから出ています。
しかし、注意が必要です。
余剰電力が少ない時や悪天候の時は、足りない分の電気は電力会社から購入して沸き上げすることになります。
当然ながら、オール電化契約の場合昼間は高い料金体系の場合がほとんどです。よって、昼間の沸き上げを前提に毎日沸き上げ運転させると、結果的に買電が増えてしまう可能性があります。
実際に、各メーカーのホームページには、注意事項が記載されています。
「太陽光発電の余剰電力で足りない場合は、通常の電力が使用されます。」
「天気予報が外れた場合や、太陽光発電電力量がエコキュートの消費電力より少ない場合は余剰電力が不足し、電力会社からの電気で沸き上げる場合があります。その場合、昼間の電気料金での沸き上げとなるため、電気料金が増える場合があります。」
太陽光があるからと言って、単純にエコキュートの沸き上げを昼間に行うと、電気代の増加につながる場合があります。
ここで重要なのは、(あたりまえですが、)太陽光は悪天候では発電が少なくなってしまうということと、エコキュートの沸き上げには最低2kW程度の電力が必要ということです。つまり、天候に関係なく太陽光の余剰電力が常時2kWを超える状況でないと、エコキュートの昼間の沸き上げは電気代の増加につながってしまうということです。
この欠点を補うにはどうすれば良いのか?
太陽光の余剰電力があるときだけエコキュートの昼間沸き上げを行い、それが出来ない場合は通常通り夜間の沸き上げを行うことが必要ですよね。
そこでお勧めなのがシャープ太陽光のクラウドHEMSを活用したソーラー連携です。
シャープのクラウドHEMSによるソーラー連携は、4つのメーカーのエコキュート(三菱、日立、長府製作所、ダイキン)に対応しています。
「当日にリアルタイムで余剰電力量を監視し、発電が余る時間帯があれば追加で沸き上げを行うことで、余剰電力を無駄なく活用。従来の前日予測制御だけでは難しかった当日の急な天候変化などにも対応することで、年間の余剰電力活用量が従来制御と比べ約2倍に向上しました。」(シャープのプレスリリースより)
エコキュートのソーラー連携を行うには、エコキュートを最新型の無線LANアダプター付きのものにする必要があります。
今年はエコキュートの設置(新設/買替とも)で経済産業省より最大13万円の補助金が出ます。エコキュートのソーラー連携が補助金条件の一つになっています。
補助金対象になっているということは、国もエコキュートのソーラー連携を推奨しているということです。
HEMSと共に、エコキュートを最新の機種に更新することで、ソーラー連携が可能になります。
売電するよりも、余剰電力を使い切る方がお得な時代です。
余剰電力の有効活用方法のひとつとして、エコキュートのソーラー連携をお勧めします。
用松俊彦