定置用蓄電池 補助金募集終了
リチウムイオン蓄電池の補助金があっという間に終わりました。
昨年度も同じ時期に予算が終了しましたが、昨年と比べて予算が30億円増えて、応募条件が厳しくなったのに補助金募集の終了が1週間早まりました。
蓄電池という商品の購入機運が高まってきている証拠ですね。
当社も昨年を上回る定置用蓄電池に関するお問い合わせとご注文をいただき、ただひたすら感謝させていただくのみですが、
ここで言及しておきたいのは、あるニュースが報道されてから急激にお問い合わせが増えたことです。
それは、「テスラモータースの定置用蓄電池市場参入」です。
5月1日にこのニュースが出てきたときに、「あ、今年は蓄電池が売れるな」と直感しました。
CEOのプレゼンがテレビニュース等でさんざん報道されたおかげで、従来は蓄電池の設置を考えなかった方々まで蓄電池を考えるきっかけを作ってくれたからです。
テスラの価格設定は、従来の蓄電池業界ではなかった水準の低価格を見た目には打ち出していて、その新製品発表に感化されたマスコミが「価格破壊」とか「日本のメーカーは高すぎ」とか
言いたい放題のニュースを垂れ流していました。
ただ、実際のテスラの定置用蓄電池は報道されている価格で設置は出来ません。
それは、テスラの定置用蓄電池(Tesla Powerwall)の仕様が米テスラのホームページに出ているので分かります。
具体的には、テスラの蓄電池には、インバーターが含まれていないので、住宅内でこのまま使用出来ません。
また、重量(100kg)と大きさ(1300H×860W×180D)が日本の住宅建築には合わないので、壁付け設置を謳っているものの、相当な補強をしなければ壁に設置はできません。
また、設置工事費も含まれていません。これらを考慮すると、大した価格の違いはないことになります。
ただ、蓄電池に関心のあるユーザーの購買意欲を後押ししたのは間違いありません。
その証拠に、5月のGW明け以降、定置用蓄電池の問い合わせが急激に増えました。
そういった意味ではTesla様サマの市況でした。
ただ、残念なのは、せっかく盛り上がった蓄電池ブームに水を差すような補助金予算切れになったことです。
「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業」補助金の予算が130億円で2か月半で予算切れしたのに対し、同時に募集している
「再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助金(再生可能エネルギー発電事業者のための蓄電システム導入支援事業)」の予算は265億円で未だ募集中。
「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業」補助金の応募条件は契約済が前提。既に予算オーバー。
それに対し、「接続保留緊急対応補助金」は予約申請でOK。契約は補助金登録後。なのに予算あまり状態・・・。
ハッキリ言って国は補助金の予算配分を間違えていると思います。
需要で考えれば逆の予算配分なら納得です。
ここは景気対策も兼ねて、経済産業省には一肌脱いでもらって、「接続保留緊急対応補助金」の現在余っている予算の多くを「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業」
に回してもらって、秋くらいから一般向けの「定置用リチウムイオン蓄電池導入支援事業」の再募集をかけてもらいたいものです。
用松 俊彦