太陽光発電システム用「雪滑り防止金具」(シャープ純正)
先日、あるお客様のご要望に応じて、シャープ純正の太陽光発電システム用の「雪滑り防止金具」を設置しました。
もともとのきっかけは、昨年1月末の戦後最大の大寒波に伴う大雪に見舞われた際に、雪解けの雪が一気に太陽光パネルの表面を流れ落ちて、バルコニー下のご自宅のサンルーフとカーポートの屋根を破損させてしまったことでした。カーポートなどの修理は火災保険で費用が出たので、お客様に金銭的な害はなかったのですが、図らずも太陽光発電システムの弱点をさらけ出した形になりました。
ここ九州では本州や北海道のように大雪が降ることはまれですが、全く降らないかといえばそうではなく、特に福岡県は日本海側に面していることもあり、年に何回か雪が積もるほど降る場合があります。
太陽光パネルの表面が積雪で覆われると、当然発電はしなくなります。しかし、雪が溶け始めてセルに日光が当たるようになると、発電が始まるとともに太陽光パネルの表面温度が上がり始めます。そんな理由で、屋根上の雪解けの場合、太陽光モジュールの表面がまず最初に溶けます。
しかし、太陽光パネルは表面がガラスで滑らかなため、雪解けになると積もっている雪がガラス面を伝って一気に流れて下に落ちてしまいます。一気に大量の雪が屋根下に落下することで、屋根下のものを破壊してしまう場合があります。それが今回のケースです。
お客様より、今後も大雪が考えられるので、対策として後付けで雪滑り防止金具をつけられないか、とご相談がありました。
色々方法はあるものの、メーカー純正何かないかシャープの担当者に聞いてみたところ、なんと「あります」との回答! しかも後付可能な製品ということで、今回はこれを採用させていただきました。
設置写真をご覧いただければお分かりになると思いますが、美観も損ねず、普段の発電への影響が少ない形になっていますね。
これがあれば雪解けの際に太陽光パネルの表面を雪が一気に流れ落ちることはありません。
しかし、雪解けの際に滞留した雪がすぐに流れ落ちないため、雪解け後の発電の再開が遅くなるデメリットはありますので、その点はご了承ください。
九州でも雪が積もる地域はたくさんあります。太陽光ブームの際に、太陽光パネルを軒先までびっしり設置した建物も多いです。隣の家の敷地まで距離が近いケースも太陽光パネルの設置状況によっては同様の事故になりやすい場合があります。
そんな方はシャープ純正の「雪滑り防止金具」をご一考ください。
※注意(筆者追記 2018.12.20)
本ブログで採り上げているシャープの「雪滑り防止金具」の設置は、積雪30cm未満の地域に限るそうです。日本中どの地域でも使用できるわけではありませんので、ご注意下さい。
用松 俊彦