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2017.03.09ブログ

「スマートエネルギーウィーク2017」に行ってきました!

3月2日と3日の2日間、東京ビッグサイトで開催されていた「スマートエネルギーウィーク 2017」に行ってきました。

新エネルギー業界の1年で最大規模の展示会で、次年度の業界の行方がある程度見えてくるため、毎年必ず行くようにしています。

今年は「太陽電池展」よりも「二次電池展」の方が人出が多かったように感じました。

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<太陽電池展>

「太陽電池展」で今年最も驚いたのは、「京セラ」と「ソーラーフロンティア」が出展していなかったことです。

かつてはあらゆる国内外の太陽電池メーカーがこぞって出展していたのですが、今年「太陽電池展」に出展していた国内の大手メーカーは「シャープ」と「パナソニック」のみでした。 他は「東芝」と「長州産業」があるのみ(東芝の太陽電池は外国メーカーの製品で東芝製品ではありませんよね)。

その他のメーカーは「スマートグリッド」や「電力自由化」など他のカテゴリに鞍替えしたか、先に挙げた京セラやソーラーフロンティアのようにも展示会への出展そのものを取り止めるという、国内メーカーには非常に厳しい状況となりました。

産業用パネルの展示では中国や韓国の外資系ばかりが目立っていました。ダンピング合戦に陥っているのでしょうが、産業用カテゴリでは今後国内メーカーの出番はないかもしれませんね。

逆に、住宅用カテゴリでは国内メーカーが中心の様相で、「シャープ」、「パナソニック」が競うように広いブースで展示をしていました。先に挙げた「長州産業」とともに、国内メーカーの展示はハイブリッド型蓄電池を中心とした「太陽光+蓄電池+HEMS」のソリューション提案が中心でした。

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国内メーカー勢、特に「シャープ」「パナソニック」の2強は、「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」をIoT機器を駆使して総合的にコントロールしていくシステムを提案していました。

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長州産業はオムロン製ハイブリッド蓄電システムが中心の展示でしたが、今まで同様のオムロン製ハイブリッド蓄電池だけでなく、意欲的に長州自社製の蓄電池を参考出品していました。

ただしスタンドアロンでしたけど・・・。

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変わったところでは、「Looop」という関東の会社がハイブリッド蓄電池の新製品を発表していました。 価格破壊を仕掛けるつもりらしいのですが、私が思うに蓄電池はそんなに甘くないと思います。 経験上言わせてもらえれば、蓄電池という製品は生き物のようなものです。売ったら終わり、という商品ではありません。よってアフターメンテナンス体制や通信モニタリング体制のようなメーカーによる直接的なバックアップ体制が必要です。すなわち、アフターサービス・メンテナンス部門が全国津々浦々まで整備されている家電メーカーの製品でなければ、我々は安心して販売することが出来ないのが正直なところです。

よって、今後の住宅用「太陽光+蓄電池」市場は、本命はシャープかパナソニックということになりますが、通信技術や蓄電池の製品仕様(=設計思想)に差があるので、マスコミ報道とは裏腹にシャープに一日の長がありそうです。
(マスコミ報道はいつも偏っていて、なぜかいつもシャープはボロクソに叩かれます。1年前のシャープ経営危機の時に、1年後の住宅用太陽電池の分野で、国内メーカーは「シャープ」「パナソニック」「長州産業」しか生き残っていない状況を誰が予想していたでしょうか? はっきり言ってマスコミ報道は偏りすぎです。)

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<二次電池展>

定置用蓄電池の展示が多く目立ちましたが、これも傾向が変わり、スタンドアロンタイプ(=太陽光発電システムとは直接つながらないタイプ)の展示がほぼ姿を消し、ハイブリッドタイプ(=太陽光発電システムと蓄電池システムがパワコンを共用しているタイプ)の新機種の展示が増えていました。 実際の売れ行きも、蓄電池販売の50%以上をハイブリッドタイプを出しているメーカーの製品が占めており、少なくとも住宅用蓄電池に関する限り、 遅かれ早かれスタンドアロンタイプは市場から消えていくと思われます。

その裏付けとして、「フォーアールエナジー」は出展すらしておらず、「NEC」は「スマートグリッドEXPO」の片隅の中小企業並みの小さいブースの中に、 VPP(バーチャルパワープラント)に関するパネル展示のみで製品展示なし、という寂しい状況でした。スタンドアロンタイプの製品展示は「ニチコン」くらいしか見ませんでしたね。

<スマートグリッドEXPO>

「三菱電機」「日立製作所」「NEC」はこちらに出展していました。

「二次電池展」の中で書いたように、NECはVPPに関するパネル展示のみ、という寂しい状況で、もう「メーカー」ではなくなるのかもしれません。日立もVPPのパネル展示が中心でした。

三菱電機は「太陽電池」と「スマートグリッド」のどちらの立ち位置で行くべきか悩んでいますね。展示内容はどちらかと言えば「太陽電池展」の内容なのに、出展場所は「スマートグリッドEXPO」、と言った具合です。自社ブランドの蓄電池を持たないのが弱点ですね。

<さいごに>

2017年度は、間違いなく「太陽光+蓄電池」を一緒に設置する動きが顕著になると思われます。当社の実売は既にそうなっています。

驚いたというより呆れたのが東芝。あらゆる出展者の中で最も多くのブース数、コマ数を誇っていました。分野も「太陽電池」「スマートグリッド」「水素・燃料電池」「電力自由化」など、ほぼすべての分野に出展していました。 ただ、昨今の報道にあるような経営環境下でやることなんでしょうかね?

1年前から小間を予約して準備しているという裏事情を知っているのである程度理解はしますが、三菱電機のようにブースを集約してある程度絞った展示にしても良かったはず。一つの会社で5つも6つも出展するのは、第三者の私から見てもお金の使い方が非効率でおかしいと感じます。それにブースが多いだけで核となる商品戦略がありません(いや、あるのかもしれないが、私には見えませんでした)。東芝の問題点は原発事業だけではなさそうです。

鴻海に買収されてからのシャープの隆盛ぶりを見る限り、昨年の今頃のシャープの選択は正しかったということになりますね。もしも産業革新機構を選んでいたら、今頃は事業を切り売りされてシャープという会社は消滅していたことでしょう。シャープの家電は東芝と、シャープの太陽光はソーラーフロンティアと合併させる案だったことを考えるとゾッとします。

用松 俊彦


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